日本酒のタイプにあわせた、酒器の選び方について。

日本酒の4つのタイプに合わせて、酒器を選ぶ。

多彩な味わいを楽しめる日本酒。お米と水といったシンプルな原材料ながら、酒米、酵母、精米歩合、仕込み水や杜氏の技によって、実に豊富なバリエーションが存在しています。「唎酒師」などの資格を管理する「日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)」は、これを4つに分類することを提案しています。


 

日本酒の4タイプ「熟酒」「薫酒」「醇酒」「爽酒」について。

日本酒は味と香りの強弱によって、「熟酒」「薫酒」「醇酒」「爽酒」の4つのタイプに分類できます。
・味が複雑×香りが高い=熟酒…熟成された、味わいの深い濃厚なタイプ。古酒など。
・味がシンプル×香りが高い=薫酒…香りが良く、すっきりとした味わいの酒。吟醸酒など。
・味が複雑×香りが低い=醇酒…米の甘みや旨味を楽しめる、コクのあるタイプ。純米酒など。
・味がシンプル×香りが低い=爽酒…飲みやすく、なめらかなタイプ。生酒、醸造酒など。

それぞれのタイプと、おすすめの酒器をご紹介します。

●熟酒におすすめの酒器について

濃厚で複雑な味と香りが楽しめるタイプです。量を楽しむというより、少しずつじっくりと味わいたいお酒です。
小さめの酒器であれば、飲み干すまでの時間も短くなるため、コンディションが良い状態で楽しむことができるでしょう。より香りを堪能したい人には、飲み口が小さめのものをおすすめします。
長期熟成された古酒を、積み重ねられた時の流れに想いを馳せながら味わう極上の時間を過ごせるでしょう。酒器の雰囲気も大切に、風情のある素材やデザインのものを選んでください。
 

●薫酒におすすめの酒器について

吟醸香とも呼ばれる、華やかな香りを楽しむお酒です。このタイプには、現代的な新しいスタイルの日本酒も増えています。冷酒~常温が良いとされていますので、ワイングラスのような形状のものがおすすめです。お好みの料理とともに、おしゃれに楽しんでみてはいかがでしょうか。
 

●醇酒におすすめの酒器について

純米酒など、米ならではのふくよかな香りとコクや旨味を感じさせるお酒です。日本酒らしい味わいともいえるでしょう。芳醇な味わいをしっかりと感じるためには、小さめの酒器がおすすめです。片口とぐい呑みのセットで、ゆったりと飲み進めれば、至福の時間が過ごせるでしょう。また盃は、舌の上に薄く広く日本酒がいきわたるため、旨味や酸味、苦みなど複雑な味わいを味覚全てを使って感じられるとされています。
 

●爽酒におすすめの酒器について

生酒や本醸造酒など、比較的飲みやすいタイプです。生酒のフレッシュな味わいを楽しむには、低めの温度が良いとされています。酒器も、小さめのガラスや磁器のものが合うでしょう。またデイリーに楽しみたい本醸造酒の場合は、よりカジュアルなスタイルで、日常使いできるお気に入りのグラスで味わうのがおすすめです。