雛人形の飾り方や、お手入れの仕方について
女の子の健やかな成長を願う雛人形。その飾り方やしまい方についても、しきたりやコツがあります。
雛人形は、子供の代わりになって厄災を背負ってくれるという大切なもの。飾り方や、しまい方についても気を使いたいものです。
雛人形の購入について
雛人形を購入するのは、一般的には母方の祖父母が用意することが多いといわれています。
これは、雛人形がかつては嫁入り道具の一つだったことに由来するそうです。ただし、決まったことではありませんので、両家で話をして決めるのが良いでしょう。
購入する時期については、1月~2月頃が最も良いようです。例年この頃には、多くの雛人形が店頭に並びますので、自分の気に入ったものを見つけやすい時期です。
雛人形には様々なスタイルのものがありますので、 自宅の間取りなどから、飾る場所に応じて適切なサイズのものを選んだり、また、お好みのテイストのものを探してください。
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雛人形を飾る時期について
飾る時期については、2月3日の節分で邪気を払ったあと、旧暦のお正月でもある立春(2月4日頃)を過ぎてから飾るのが最適です。縁起もよく春の行事として雛祭りへの気持ちも高まるでしょう。ただし、地域によっては、4月の初旬に行うところ、また、夏の終わりごろに行うというところもあります。それぞれの土地の習わしに従うのがよいでしょう。いずれの場合でも、桃の節句の1週間前には飾りつけを済ませておくのが良いでしょう。雛祭りの直前に慌てて出すのは厳禁とされています。
特に、桃の節句の前日に用意するのは、「一夜飾り」と呼ばれ縁起が悪いとされています。これはお正月飾りにも共通して言われていることで、神様に失礼であるということやお葬式を連想するなどが理由として挙げられます。節分を過ぎたら、雛人形を出す日にちを決めておきましょう。
雛人形のしまい方について
雛人形を飾った後は、しっかりお手入れをして片付けましょう。
雛人形をお手入れする際は、以下の点に注意すると美しい状態を保てます。
・布手袋などを付け、直接手で触らない
・人形は柔らかい布や紙で優しく包んでからしまう
・空気が乾いた天気の良い日に片付ける
・防虫剤は人形用のものを使用する
雛人形に素手で触ると、汗や皮脂によってシミや腐食の原因になることがあります。また、雛人形は湿気や虫を嫌いますが、防虫剤や乾燥剤を入れると材質や薬剤との相性によって人形を傷めたり樹脂製の部品が溶けてしまうこともあります。薬剤は使わず、よく晴れたお天気のいい日を選んでなるべく乾燥した状態で収納し、湿気の溜まりにくい場所に保管しておくほうがおすすめです。
親王飾りの場合は飾り台がそのまま収納ケースになっていることが多くあります。箔一の飾り台は、天然の防虫効果や湿度調整機能を備えた桐製のものや、美しい溜漆塗り仕上げにこだわりつつも蓋を開けると雛人形がしまえる収納箱になるものが揃っています。お道具もすべて中に片付けられるため、飾る時も仕舞う時も手間がかからず便利です。
雛人形をしまう時期にも注意
「雛人形を長く出しっぱなしにしていると、嫁に行き遅れる」
そんな言い伝えを耳にしたことがある人も、いらっしゃると思います。迷信であるともいえますが、片付けの正しいタイミングは気になるところです。
雛人形を片付ける時期としては3月3日以降の早いうちが好ましいですが、まずは天気と相談して決めましょう。早く片付けるために、雨が降っているような湿度の高い日を選んでしまうと、雛人形に湿気が残ってしまいカビやシミが発生する原因となります。雛人形をしまう時期は、天気が良い日を見計らって決めるのが一番でしょう。