髪切の奇談
江戸番町で起きた怪異を知らせる錦絵。4月20日の夜更けに、番町某屋敷の女中が便所に行ったところ、突然「真っ黒なる者」に襲われたという。女中は気絶してしまったが、物音に気付いた家人が集まり女中を起こすと、結っていた髪が切られ離れた所に落ちていたという。
・歌川 芳藤(1828〜1887)
江戸時代から明治時代にかけての浮世絵師。嘉永から文久年間に横浜絵のほか美人画、「武者両面合わせ」のような武者絵、はしか絵を描いた。また子供向きの組上絵、玩具絵、双六「東京築地ホテル館図」といったものや、開化絵も数多く描いている。芳藤は玩具絵において丁寧な仕事をしており、「おもちゃ芳藤」と呼ばれた。
