
葛飾北斎の「凱風快晴」
がいふうかいせい
凱風とは南風のこと。晩夏から初秋にかけて、早朝に朝日を浴びた富士が赤く染まる現象を描いた葛飾北斎の作品。通称「赤富士」。麓には青々とした樹海が描かれ、見事な色彩の対比を成しています。 棚引くいわし雲や、山頂に雪が残る姿もこの季節ならではで、四季によって変化する一時の富士の姿をとらえています。
・葛飾北斎(1760〜 1849)
江戸後期の浮世絵師。勝川春章に師事し、役者絵、美人画、さし絵などを描き、さらに狩野派、土佐派、琳派、中国風、洋風などの画法を学ぶ。
構成的で力強く、動きのある筆法により、独自の画境を達成。
その影響はフランスの印象派にまで及んだ。代表作「北斎漫画」「富嶽三十六景」「千絵の海」など。