2022.12.01

お正月の花を花器に合わせて気軽に愉しく『しつらえる』コツ

お正月の花を花器に合わせて気軽に愉しく『しつらえる』コツ

お正月に締め飾りや、鏡餅などの置物、飾り物を飾る一方でお花の選び方や、生け方はどうして良いか分からないという方もいらっしゃるのでは。お花を生ける際に、勉強した経験がなくても好きに飾るのが一番良いですが今回、手軽に少ない花材でもお正月用に生けられるよう、お花屋さんにお願いしてポイントを伺いつつ生けてもらいました。

今回ご協力いただいたお花屋さんはこちら
■今村生花店■
石川県金沢市中央通町19-30
月曜~土曜 8:30~19:30、日・祝 9:00~15:00
地域に根付いた昔ながらの町のお花屋さん。仏花からブライダルまで様々なシチュエーションに応じて柔軟に対応。生花各流派の多くの先生方がお稽古の花を購入するのは温度差を避けるために、花をあえて冷蔵庫に入れずに販売するため。花もちがとても良いからだそう。勿論花一輪から、個人の方でも気軽に購入できます。

 

 

正月花に南天を飾った花器

南天を取り入れて簡単に生けるコツ

お正月を迎えるのにふさわしい花の代表的なものとして南天があります。南天は難を転じるという言葉から魔除けとしてお正月の花に多く用いられてきました。また赤い実を多数付ける上、花言葉が「良き家庭」「幸せ」なので、新しい年の始まりを祝うお正月にふさわしいお花と言われています。

正月花として南天を生けた花器

南天の姿は羽状の葉と傘状に伸びた細い枝が、すらりと軽い印象です。佇まいからお正月の和のイメージが強いイメージですが、今回のように和洋どちらも合わせられる花器に合わせやすい花材です。
こちらのアレンジは、「南天」と幸福の木と言われる「ドラセナ」の2種を生けました。口が細い花瓶なので、花を入れるだけで形がある程度定まります。南天の広がった葉っぱを生かし、玄関やリビングなど空間に余裕がある場所の中心に置くと良いでしょう。2種の花でも存在感ある仕上がりに生けることができます。また花器自体が白に金のコントラストが上品でかつ華やかさがあるので、普段使いもでき、ハレの日のインテリアにも活躍する万能な花器です。今回のように紅白の水引を結ぶと一気にお正月感が増します。※水引については後半に詳細を記載しています。

 

正月花として南天を生けた花器

こちらの丸い花器は小ぶりなのでお部屋を選ばないでお使いいただけるタイプです。 「南天」と「水仙」「スプレーマム・フェリー」の3種を生けてもらいました。水仙はラッパのような見た目から、春を告げる花とも言われています。古くから日本にある「ニホンズイセン」は親しみを持たれている方も多いのではないでしょうか。

 

正月花として南天と水仙を生けた花器

丸い花器の根元には、メインとして目立つ今回使っているピンポンスプレーマムをキュッと集めました。水仙はスラリと高さを出してバランスをとっています。水仙を生ける際に葉の位置を決めるのが難しいのですが、葉を優しく根元から先へと指を撫でるように滑らすと自然な流れが出ます。

正月花に菊を入れた花器

菊を主役にした正月花と花器

菊は9月9日の「重陽の節句」で菊酒を飲むなど長寿を願う縁起の良い花としてよく知られています。また天皇の紋章として菊のデザインが使われており、花言葉は「高貴・生命力」ですので、お正月を際にふさわしい花材です。今回は菊の一種「アナスタシアブロンズ」と「シダ植物の「ウラジロ」「水木」の3種を生けてもらいました。

 

正月花を入れた花器

大輪の花でバランスを取る際は、花器の口元に来るような長さにいけるのがコツです。また、木藤の長さは思い切って花器の高さに対して2倍以上の長さにし、最初に生けてから他の花材のバランスをとります。このような形状の花器は、高さを作るとバランスが良くなります。菊は生ける時ハサミでは無く手で折ると水上がりが良くなります。シダなど葉が広がる花材は高くなりすぎないよう左右に広げてバランスを取って仕上げます。

 

正月花を入れた花器

葉牡丹を取り入れた正月花の生け方

お正月の花として、12月になると門松などに多く使われている葉牡丹を見かけることが増えます。葉牡丹の花言葉は、祝福、慈愛、愛を包むなどお正月にふさわしい花言葉があるほか、花の少ない冬に葉っぱが色づくため生花で重宝されていたようです。また縁起の良い牡丹に花姿が似ている音からもお正月の花として人気が高くなったと言われています。

今回は種類の違う2種の葉牡丹を、剣山に刺して低く生け、その周りにピンポンスプレーマムを、見た目にリズム感が出るよう高低差をつけています。隙間からは「紅葉南天」を覗かせました。繊細なウラジロで思い切って高さを出すことで目線が下に行きますので、このような形状の花器にとても映えています。赤の水引を花の根元に遇らうとより花器の金と合わさりお正月感を演出できますのでおすすめです。

 

正月花を入れた花器

 

正月花を入れた花器

 

正月花を入れた花器

正月花に取り入れたい縁起の良い松の生け方

「松・竹・梅」は縁起の良い花の代名詞といっても良いでしょう。正月には門松に代表されるよう縁起の良さで重宝される縁起物です。松は常緑樹で樹齢数千年という長寿のものもあることから不老長寿の象徴として縁起が良いとされています。横に大胆に伸びた松を使い「水仙」「椿」の3種でお正月花をアレンジしました。

松のような枝物は水を吸いにくいので、ハサミで樹皮を削って根元を縦に割って生けると水をぐんぐん吸って長持ちさせることができます。 今回のような口の小さい花器は多くのお花を入れるより存在感のある花や流れの出やすいものを少し入れるだけで存在感を醸し出します。椿は蕾が重く下に向くことが多いため、先ほどの菊と同様花器の口元に蕾が来るよう短く切るのがポイント。縦横に大胆に伸びた構図が、3種というシンプルな花材ですがお客様が多く集まるリビングにピッタリの組み合わせに仕上がりました。
 

 

最後に、水引だけが差し色になるようグリーン系の花材と「松」で上品に合わせた生け方をご紹介します。こちらの花器は、緑から青みがかった箔の変色をうまく生かした花器で花材を選ばない使い勝手の良い品です。
 

 

松以外には紫陽花の1種「エメラルド」「紅葉南天」「五葉松」「春蘭」を生けています。こちらの花器はとても綺麗な丸みを帯びたフォルムで、緑がかった青がどんな花でも馴染みます。紫陽花も先程の松と同様、皮を削り鋏を入れることで抜群の花持ちになります。この丸い形状を生かして花を生けていますが、軸となる中心部は花器に重心がいくよう全体的に丸みを帯びたアレンジに仕上げてもらいました。

 

水引を使った正月花のアレンジについて

今回日常使いできるシンプルな花器を選んでいますので、お正月らしさを演出するために水引を使っていただきました。文房具店で簡単やモールでも簡単に手に入りますが、下記のような紅白の繋がった水引が重宝するとのことでした。
Amazonより赤白水引 5本付け 60cm 10本入り
 

正月花を生ける日について

生ける日としては、12月28日に飾るのが一般的。29日は「二重苦」になるため縁起が良くありません。また、大みそかである31日に飾ることは「一夜飾り」と呼ばれ、縁起が悪いようです。30日は旧暦の大みそかにあたるため、一夜飾りとみられることもありますが、28日に飾ることができない場合は、30日に飾るよう心がけましょう。

日常使いもお正月のアレンジも使えるほかの花器はこちら

ショッピングをより快適に

お客様に快適に、よりお得にお買い物をしていただけるよう
ポイントの仕組みとお支払い方法を見直しました。