お正月の食卓を華やかに彩る「おせち料理」。
なぜ重箱に詰めるのか、その理由をご存じでしょうか?
重箱には「めでたいことを重ねる」という素敵な願いが込められています。最近では、
少人数家庭や核家族の増加に伴い、気軽に準備できる「二段重」も高い人気を集めています。
本記事では、おせちを重箱に詰める由来から、二段重・三段重それぞれの詰め方のルール、定番おせち料理に込められた縁起の意味。
そして初心者でもプロ級に仕上げる盛り付けテクニックまでご紹介します。
2025年のお正月をより身近に、華やかに楽しむためのヒントを凝縮しました。
1. なぜおせちを重箱に詰めるの?
由来と段数の意味
おせち料理を重箱に詰める習慣には、古来からの日本の知恵と願いが詰まっています。
幸せを重ねる「重箱」に込められた願い 重箱におせちを詰める最大の理由は、「めでたいことが積み重なるように」という縁起を担いでいるからです。
また、料理を重ねておくことで、歳神様をお迎えする際の埃を防いだり、保存性を高めたりする実用的な役割もあります。
段数の違いと「与の重」 現代では三段重が一般的ですが、ライフスタイルの変化により、気軽に使える一段重や二段重も普及しています。
• 三段重:「天地人」を表す最もスタンダードな形式。
• 二段重:少人数家庭や、手作りおせちをコンパクトに楽しみたい方に最適。
• 四段重:春夏秋冬を表します。「四」は死を連想させるため「与(よ)の重」と呼ぶのがマナーです。
2. 【段数別】失敗しない!おせち料理の詰め方ルール
【注目】少人数家庭にぴったり!
「二段重」の詰め方
二段重の場合、三段重のルールを凝縮して詰め合わせます。
• 一の重(上段):祝い肴・口取り・酢の物 黒豆、数の子、田作りの「祝い肴三種」に加え、伊達巻や紅白かまぼこ、さらに紅白なますなどの酢の物を彩りよく配置します。
• 二の重(下段):焼き物・煮物 海老やブリの照り焼きといったメインの「海の幸」と、筑前煮や煮しめなどの「山の幸」を一緒に詰めます。
写真は「華おぼろ くつわ二段重(朱)」
| お重の段 |
詰める種類 |
中身 |
| 一の重 |
祝い肴・口取り・酢の物 |
黒豆・数の子・田作り・紅白かまぼこ・栗きんとん・伊達巻・紅白なます・昆布巻き など |
| 二の重 |
焼き物・煮物 |
海老の焼き物・鯛の焼き物・筑前煮・煮しめ・手綱こんにゃくの煮物・くわいの煮物 など |
王道の「三段重」の詰め方
• 一の重:祝い肴、口取り(黒豆、栗きんとん等)
• 二の重:焼き物、酢の物(海老、紅白なます等)
• 三の重:煮物(筑前煮、ごぼう等)
写真は「華おぼろ 3.8寸三段重(黒)」
| お重の段 |
詰める種類 |
中身 |
| 一の重 |
祝い肴・口取り |
黒豆・数の子・田作り・かまぼこ・栗きんとんなど |
| 二の重 |
酢の物・焼き物 |
紅白なます・酢れんこん・鯛の焼き物・海老の焼き物など |
| 三の重 |
煮物 |
筑前煮・煮しめ・手綱こんにゃくの煮物・くわいの煮物など |
3.【定番のおせち料理】
ここで、おせち料理に込められた、縁起の意味を一部ご紹介!
数の子
子沢山の象徴で、子孫繁栄を願う意味があります。
黒豆
「まめに働く」「健康で元気に」という願いが込められています。
田作り・たつくり・ごまめ
昔、田の肥料に小魚を用いたことから豊作祈願の意味があります。
たたきごぼう
地に根を張るごぼうのように、家業繁栄・長寿を願う意味があります。
昆布巻き
「よろこぶ」に通じる昆布。「喜ぶ」気持ちを巻き込む縁起物です。
栗きんとん
黄金色が富や財運を象徴し、豊かさを願う意味があります。
伊達巻
巻物に似た形から、文化・学問の成就を願う意味があります。
えび
腰が曲がるまでという長寿の願いとともに、紅色の慶びを表します。
なます
紅白二色の組み合わせで、祝いの色と平和・調和を表します。
紅白かまぼこ
形が初日の出に見えるとされ、紅色が魔除け、白が清浄を意味します。
4. 初心者でもプロ級!
重箱を綺麗に盛り付けるテクニック
「重箱に詰めると地味に見えてしまう」という方は、以下のコツを取り入れてみてください。
仕切りと小鉢で立体感を 汁気のある料理や黒豆は、「小鉢」やゆずの皮をくり抜いた「ゆず釜」に入れるのがおすすめです。
これだけで高さが出て、立体感のあるプロのような仕上がりになります。
箔一おすすめは九谷焼盃。酒器ですが小ぶりなサイズで小鉢としても使えます。 内側にあしらわれた金箔の輝きが料理に華を添えます。
今回使用した九谷焼シリーズはこちら
5. 【2025年版】ライフスタイル別・重箱の選び方
今の自分にぴったりの重箱を選ぶことが、お正月を楽しく過ごすコツです。
• 気軽に使うなら「樹脂製(合成漆器)」 お手入れしやすく、洗剤で洗える樹脂製は非常に便利です。
箔一の重箱は樹脂素材ながら金沢箔の上品な輝き、デザインが高級感を演出し、いつもの料理もご馳走感を高めてくれます。
写真は「市松 三段重(金)」
• 少人数なら「二段重」や「一人用」 「伝統的な三段は食べきれない」というニーズに応え、二段重や個食スタイルが2025年のトレンドです。
沢山のおかずを準備できない方には、サッと詰められる二段重がおすすめです。
また、お正月以外でも、お花見や来客時のおもてなし、行楽シーンなど一年を通して使いやすいです。
写真は「古代箔 くつわ二段重」
重箱に関するよくある質問(Q&A)
おせちの準備や重箱の購入を検討されている方からよくいただくご質問にお答えします。
Q:重箱のサイズ選びの目安は?
A:一般的には「6.5寸(約19.5cm角)」が標準的で、3〜4人分のおせちに最適です。
最近増えている少人数世帯や、おせちを少量ずつ楽しみたいという方には、少し小ぶりな「5寸(約15cm角)」がおすすめ。
2人前程度の料理が入り、「お弁当箱としても使いやすいサイズ」と大変人気があります。人数だけでなく、保管スペースも考慮して選ぶのがポイントです。
Q:お正月以外に重箱を使うアイデアは?
A:お花見、運動会、ホームパーティーのオードブル・アフタヌーンなど一年中活躍します。
重箱=お正月というイメージが強いですが、蓋ができる重箱は持ち運びにも便利で、ピクニックや運動会のお弁当箱として非常に優秀です。
また、最近では和菓子や焼き菓子を詰めて「お菓子入れ(スイーツボックス)」としてティータイムに活用される方も増えています。
金沢箔を施したモダンなデザインの重箱なら、和洋問わずお楽しみいただけます。
まとめ:重箱を整えて、福を呼び込むお正月を
おせちを重箱に詰めることは、家族の健康と幸せを願う大切な行事です。
二段重を活用してコンパクトに楽しむもよし、三段重で伝統を味わうもよし。
奇数の品数を意識するなど基本のルールを押さえつつ、2025年らしい自由な盛り付けで、新しい一年を華やかに迎えましょう。
▼箔一の重箱はこちらから
